滴たちの目覚め
小さな湿原の夜明け
足もとには無数の滴がびっしり
このきらめく世界はきっと、
足早に通りすぎていれば
目にとめることはなかったかもしれません
誰にも知られず美しく輝いて消えていく、
湿原の中で繰り返されているであろう
自然のそんなささやかな営みは
ふだん気づかないことを
教えてくれているように思います
たとえば
こんな小さな歓びこそが
得がたい大きな幸いであることを
毎日のあたりまえのなかに
すばらしい価値が隠れていることを
湿原の朝のまどろみの中
初夏のすがすがしい風が流れて
わたしの一日が
ゆるやかに始まっていきます
<撮影地>長野県富士見町
by tomato3125 | 2016-06-20 00:49